埼玉県営公園における撮影会中止に対する抗議の表明



埼玉県営公園における撮影会中止に対する抗議の表明


一般社団法人siente
代表理事 中山美里

私たちsienteは、性の娯楽やサービス産業といったセクシャルウェルネスに関わる仕事を選んだ人たちが、職業差別による心理的な負担や生きづらさなどを解消し、偏見のない社会を作るため一助を担いたいと活動する団体です。
2023年6月8日に下記の撮影会主催者に県営公園の貸し出しが中止され、撮影会の中止を余儀なくされたことに対して、私たちは抗議の表明をします。

令和5年6月10日に川越水上公園で行われる予定だったフレッシュプール撮影会(主催:フレッシュ撮影会)及び、同日にしらこばと水上公園で行われる予定だったミスヤングアニマルオーディション・セミファイナルプール撮影会(主催:ミスヤングアニマル)が会場からの申し出により開催が中止になったという公表をTwitterにて閲覧しました。

公式アカウントからの公表ではありませんが、令和5年6月11日に行われる予定だった川越水上公園ではなまる大プール撮影会も中止になったとグラビアモデルによるツイートを確認しています。

これらの撮影会の中止については、日本共産党埼玉県議会議員団である城下のり子県議会議員、伊藤はつみ県議会議員、山﨑すなお県議会議員の3名より、都市公園法第1条に反するとした貸し出しを禁止する申し入れによりなされました。

つきまして、当団体より公益財団法人埼玉県公園緑地協会と日本共産党、日本共産党埼玉県議会議員団に抗議文を送りました。

公益財団法人埼玉県公園緑地協会に対する抗議文には、
・共産党埼玉県議会議員団の申し入れに対して、御協会内でどのような議論をした上で、下記に述べるような憲法に抵触する可能性のある中止の決定に至ったのかを開示して欲しい。
・令和5年6月24日25日にしらこばと水上公園で行われる予定の、近代麻雀水着祭撮影会について、今一度、貸し出しについて検討して欲しい。
・すでに貸し出しを中止し、撮影会が中止となった令和5年6月10日に行われる予定だったフレッシュプール撮影会(主催:フレッシュ撮影会)、ミスヤングアニマルオーディション・セミファイナルプール撮影会(主催:ミスヤングアニマル)、川越水上公園ではなまる大プール撮影会(主催:はなまる撮影会)に対して、またその撮影会にて被写体となる予定だった出演者に対して損害の補償をして欲しい。
という3点を要請しています。

日本共産党、日本共産党埼玉県議会議員団には、

・日本共産党埼玉県委員会ジェンダー平等委員会と日本共産党埼玉県議会議員団が、公益財団法人埼玉県公園緑地協会に申し入れた内容について、撤回して欲しい。
という1点を要請しています。

また、大野元裕埼玉県知事には、日本共産党埼玉県議会議員団の申し入れに対し公益財団法人埼玉県公園緑地協会が撮影会主催者に公園貸し出しを中止したことの是非を議論する機会を持ってくださいとお願いの文書を送りました。

日本共産党埼玉県議会議員団のホームページには、「過去のイベントの動画をみると水着姿の女性がわいせつなポーズやわいせつなしぐさで映っており、明らかに「性の商品化」を目的とした興業」であり、「今回の興業が都市公園の目的にふさわしいものとは到底考えられません」と記載されており、それにより都市公園法第1条に反すると結論づけています。

しかし、当団体にて調査したところ、プールという区切られた環境で撮影会は行われており、またプールに相応しい水着という衣装によって行われていたことが分かっています。わいせつなポーズやわいせつなしぐさとありますが、それは刑法174条の公然わいせつに当たるようなものだったのでしょうか。法令を遵守した運営をされていたにもかかわらず貸し出しを中止したのであれば、特定の職業に対する差別的な判断だと言わざるを得ません。

また、「性の商品化」を目的とした興業とありますが、セクシー女優やグラビアモデル、アイドル等の職業を自ら選び、その職業により生計を立て、キャリア形成をしたいと考える女性が撮影会の被写体となっています。その女性が選択した職業を全うさせないという点において、また女性たちが望む仕事の場を作っている撮影会の運営会社に対して、御協会が下した貸し出しの中止という事案は、憲法22条の職業選択の自由を侵害しています。併せて、セクシー女優やグラビアモデル、アイドル等の職業に就く方たちにとっては、自らの体を主体的に使った表現の自由、それをやりがいとする個人の尊厳も侵害されています。

この職業差別に対し、私たちは強く抗議いたします。

並びに、突然の撮影会の中止により、このイベントに参加する予定だった撮影を趣味とする方、ファンの方たちの休日の楽しみが奪われてしまったことに対しても遺憾に感じています。

日本国民は、公共の福祉に反しない限り、自由と幸福を追求する権利を持っているはずです。

日本共産党埼玉県議会議員団は、未成年が出演していた可能性があることについても問題視しています。しかし、未成年者が労働基準法やその他の法令で定められた保護規定が守られた状態で働いているかどうか、児童ポルノの被害に遭っているかどうかについては、別の問題です。未成年者が保護されない状態で働いている、児童ポルノの被害に遭っているのであれば、その児童たちを守るべきだと私たちは考えます。

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