週刊文春に掲載された女性市議の過去の職歴に対する記事への声明

令和5年8月4日

週刊文春に掲載された女性市議の過去の職歴に対する記事への声明


一般社団法人siente
代表理事 中山美里

 私たちsienteは、性の娯楽やサービス産業といったセクシャルウェルネスに関わる仕事を選んだ人たちが、職業差別による心理的な負担や生きづらさなどを解消し、偏見のない社会を作るため一助を担いたいと活動する団体です。

 2023年8月10日号の週刊文春にて「《徹底取材》維新を暴く! “改革政党“のウソと暗部」特集にて、「AV出演市議を発見」という記事が掲載されていました。
 また、8月3日公開の文春オンラインにも「〈限界エロ行為に挑戦!〉維新・新人女性市議がAV作品に出演していた 林芳正外相の“セクシーヨガ”でも…」という記事が掲載されていました。
 この記事が、過去の職歴がスティグマとなり、別の職業や人生の選択をした後にも「AVに出演した」ことで、次の職業を全うできなかったり、人生の選択が妨げられたりすることをまさに表しているため、ここに遺憾の意を表明します。

 まず、週刊文春の誌面では、「党が候補者の経歴や資質を十分に把握していないとおぼしき事例は他にもある」と山﨑麻里子高槻市議を紹介しており、過去にタレントとして水着になったり、AVに出演をする職業に就いていた場合は、政治家として不適切であると読ませる文脈になっています。
 加えて、週刊文春の36ページでは、記者が「――セクシータレントなどのスキャンダルも多い」と松井一郎維新の会前代表に質問を投げかけています。
 これらは職業差別です。

 山﨑麻里子高槻市議が過去に、タレントとして水着になったりAVに出演をしたことが、政治家としての資質がなく経歴として不適切であることとは同義ではありません。また、過去にセクシーな表現活動も行う芸能人だったことは、スキャンダル、つまり醜聞や不祥事、不正ではありません。

 次に、週刊文春本誌、文春オンライン両記事中には、「――矢崎まこと名義で、セクシーアイドル活動を?」「――その時の経験が市議活動に生かされている?」「――『現役グラビアアイドル AV出てみませんか!?』というAVに出演?」という記者からの質問がありますが、これはハラスメントに当たります。

 そして、過去の職業のごく一部の活動を取り上げ、「「限界エロ行為に挑む」AVに」(本誌)「過激な場面もあるAVに出演」(オンライン)との見出しで読者を故意に惑わすような表現をするなど、山﨑麻里子市議を困らせる、端的にいえばイジメともいえる記事としてまとめられています。大手メディアがこのような報道スタンスを取って良いのでしょうか。

 タレントは職業の1つであり、仕事の一環として、モデル活動の中で水着になったり、AVに出演しただけにすぎません。

 もし、山﨑麻里子市議の前職がタレントではなく、AVにも出演していなかったら、このような大きな記事になったでしょうか? 過去の職業のほんの一部だけを取り上げられ、揶揄されるようなことがあったでしょうか? 

 今回の記事について取り上げ方に問題がなかったか熟思していただくとともに、今後の記事制作に私たちからの声を活かしていただければ幸いです。

 
 上記と同様の文書を週刊文春にもお送りしています。
 なお、末筆ではございますが、山﨑麻里子市議の今後のご活躍を祈念いたします。

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